はじまりは曾祖母の味

HISAMIのはじまりは、
今から七十年以上前に遡ります。

当時、鯖の豊漁に沸いていた間人港。
曾祖母はその鯖を使って「へしこ(糠漬け)」をつくり、
京都市内の錦市場で　働く人々に
まかないとして振るまっていました。

塩分が通常の物より
控えめで食べやすかった曾祖母のへしこは、
近所の人からの評判も良く、

「間人の特産品にならないか」
という声も多かったそうです。

そんな声に後押しされ、
父は「へしこ」を商品化し販売を始めます。

改良を重ね、伝統の曾祖母の味を
さらに柔らかくクセのない
誰もが食べやすい味へと変えていったのです。

こうして、HISAMIの
「浅漬けへしこ」は生まれました。

温度や原材料の割合によって味が変化する発酵食品は、時に、私たちの想像を遥かに超える感動をもたらしてくれます。

そんな新しい味との出会いに魅了され、
僕たち兄弟は「糠漬け」の研究を続けているのかもしれません。

伝統的な食文化も、作り方を守っているだけではいつか需要がなくなり途絶えてしまうのではないでしょうか？

減塩志向が広がり、どんなに栄養素が高くても敬遠されがちな「糠漬け」ですが、私たちはこれからも日本の伝統食として、後世に残していきたいと思っています。

曾祖母から父へ、父から私たちへと受け継がれてきた
この「HISAMIの糠漬け」に、

フレンチ・イタリアン・和食・スイーツなど
僕たちが学んできた料理の知識と経験を掛け合わせる。

そうやって糠漬けの価値を再設計し、
これまでにない「米糠発酵食品」を生み出すことで
新しい食文化を世界中へ発信していきます。