へしこの概念が変わる

みなさん、へしこと言われて何を思い浮かびますか。
へしこという言葉自体、聞いたことがないという方もいるのではないでしょうか。
私たちが作っているへしこと、一般的なへしことの違いを紹介します。
一般的にへしこは、魚を塩漬けにし、さらに糠漬けにしたものを「へしこ」と言います。主に、丹後半島(京都府北部)、若狭地方(福井県)の伝統郷土料理で、越冬の保存食として食べられてきました。

へしこの製造方法は、先ほど説明した通り、塩漬け、糠漬けをした物で、およそ1年かけて作られます。
この1年漬け込むことで、保存食として食べられてきましたが、塩辛く、発酵臭があり、苦手な方もいらっしゃると思います。
お酒のあてに少しずつ食べたりご飯と一緒に食べるといったのが主流です。
現代においては減塩思考などもあり敬遠される食べ物となってきました。
そこで、丹後の伝統料理でもある「へしこ」をこれからも残していきたいその思いから現代にあったへしこ作りが始まりました。
ひいひいおばあちゃんが作っていた伝統的なへしこを父が試行錯誤を繰り返し、現代にあったへしこを誕生させました。
それが、「へしこの浅漬け」です。

従来は、冬を越すために食材が腐らないよう糠漬けにして保存食として食べられてきましたが、現代においては冷蔵庫や冷凍庫が普及したので、特に味を濃くせずとも、保存が出来ます。
そこで、魚本来の美味しさを引き出すためのへしこが生まれました。
糠漬けで熟成させ、魚の旨みを引き出し、本来のへしこより、浅く漬ける事で、ほどよく塩が効いた「へしこの浅漬け」が誕生しました。

今では、「へしこの浅漬け」専門店として、京丹後で「へしこ工房HISAMI」を構え「ひさみのへしこ」を販売しています。

次回は、従来のへしこと「ひさみのへしこ」の違いをより詳しく紹介させていただきます。